行事報告
【報告】子育て講座のびのび「子どもの行動で困っている方へ」
今回は14名の参加がありました。いつも好評の実花先生の子育て講座ですが、今回はリニューアルした内容となりました。自閉症の特性や支援の方法など詳しくお話がありました。
一昔前では「自閉症は親の育て方が悪いから」などと考えられていた。しかし、現在では脳のなんらかの器質的な機能が影響して起こる障がいとされている。自閉症の特性として「情報のよりわけが苦手」「具体的ではないことや明確ではないこと(概念や物事の本質)などを学ぶのが苦手」「人との距離をはかることが苦手」「言葉を操ることが苦手」などがある。まるで、慣れない外国で生活をして不安の中で必死に頑張っているような感じなのだ。本人は本当に必死に頑張っているのに、周囲からは「出来てあたりまえ」と言われてしまう。そのため、自閉症の人は自己肯定感が育ちにくいといえる。
しかし、苦手さも見方を変えると素晴らしい才能に変わる。自閉症の人は興味があることには高い集中力を発揮する。常識にとらわれない一途さやまじめさをもっている。自閉症の人の中には有名な音楽家やITの技術者たちが沢山いる。その人たちが居なければ、現代の社会はここまで発展しなかったであろう。
自閉症の人が活躍する場をもっと増やしてあげたい。そのために大切なことは「おだやかで理解可能な環境」「安心・信頼」「適切な教育」など、ひとりひとりに合せた土台づくりがスキルアップに続いて行く。
今回、実花先生のお話で心に残った言葉がふたつあります。ひとつは「自閉症の人は外国で生活をするような不安の中で日々生活している」ということです。ふと海外旅行での経験を思い出しました。言いたいことが伝わらず失敗したり、失敗するのが怖くて消極的になったりしました。ふたつめは自閉症の子が「助けを求めた時に、必ず助けてくれる人がいること。そして、大人になった時にも助けてあげる人を近くに配置してあげることが『福祉』だ」という言葉でした。目からうろこでしたが、とても納得の行くお話でした。
実花先生のお話のあと、参加者の方からの質問や感想などがあがりました。今後、我が子が自閉症の検査をし、診断名がつくことのメリット・デメリットなどを心配される方もいましたが、「診断名は『自閉症』というレッテルを貼られることではなく、その子が過ごしやすい環境を得るためのツールです」と実花先生はおっしゃいました。とても温かく、勇気をもらえる言葉に感じました。実花先生、参加者のみなさんありがとうございました。
今後も実花先生の子育て講座を開催していきます。参加は無料です。お気軽にご参加ください。
院長ブログにも同講座の掲載があります。
詳しくはこちらのURLをご覧ください。
http://harutaka213.blog62.fc2.com/